DCEXPO2015にて登壇しました

2015年10月

2015年10月23日(金)に開催されるDigital Content Expo 2015内の「イノベイティブ・テクノロジーが未来を変える」シンポジウムにて、パネリストとして登壇しました。

登壇:DCEXPO 2015 「イノベイティブ・テクノロジーが未来を変える」シンポジウム
日時:2015年10月23日(金)15:15-16:45
場所:日本科学未来館 1階センターステージ(東京都江東区青海2-3-6)
パネリスト(ウェブサイト掲載順):
・Paul Debevec氏(Research Professor, University of Southern California (USC))
・稲見昌彦氏(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)
・青木崇行(カディンチェ株式会社代表取締役)
・平井淳生氏(経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 課長)
・市原健介氏(一般財団法人デジタルコンテンツ協会 専務理事)
dcexpo2015-web

登壇後メモ

パネリストの特権で登壇前の控室にてPaulさんと個人的にお話ができて、研究や研究所について聞けました。学部生の頃から実写を用いた3Dモデリングや、Image Based Lighting等に関わっており、そのころから研究が一貫して継続しているそうです。また、映画マトリックスの主人公が撃たれるシーン(バレットタイム撮影)の背景画像を作成されたのが映画産業との初めての関わりで、その後の研究成果の多くも実際の映画で使用され、映画産業から研究費を受け、それを次の研究に投資するという好循環を構築できているそうです。研究所がロサンゼルス近郊にあり、映画産業の中心地であるハリウッドにも近いというのも強みなのだと感じました。研究はもちろんのこと、研究を継続させるビジネスモデルの構築までされていることに感銘を受けました。
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dcexpo2015

コンピュテーショナルフォトグラフィ(登壇前予習)

メインスピーカーのPaulさんは初対面になるので、予習のために調べてみました。せっかくですので、このシンポジウムに参加される方の参考にもなればと思いまとめてみました。
シンポジウムのタイトルはざっくりとしていますが、パネリストの共通項を考えると「コンピュテーショナルフォトグラフィ」が一つの軸になりそうです。コンピュテーショナルフォトグラフィとは従来の写真・映像撮影に対して、コンピュータグラフィックスやコンピュータビジョンなどの技術を足すことでこれまで撮れなかった画を取る技術です。カメラの進化として、アナログカメラ→デジタルカメラ→コンピュテーショナルフォトグラフィという第3段階と呼んでいる人もいます。当社が取り組んでいるパノラマ動画撮影なども、複数のカメラを用いて、その後画像処理でパノラマ合成をしていることからも、コンピュテーショナルフォトグラフィの一例と言えます。

Paul Debevecさん

DCEXPOの公式ページにも紹介は掲載されていますが、代表的なプロジェクトとして「デジタルエミリー」の以下の動画がわかりやすいです。このプロジェクトの詳細は「The Digital Emily Project: Achieving a Photoreal Digital Actor」に記載がありますが、顔のスキャンを156個のLEDライトとカメラが設置されたライトステージと呼ばれる装置の中で行うことで、コンピュータグラフィックスなのにまるで実写のような女優さんのいろいろな表情を再現できます。これらの技術は映画のハンコック、スパイダーマン2、スパイダーマン3、キングコング等で応用されました。

また、高速に回転するミラーと高速表示が可能なプロジェクターを用いて実現した裸眼全方位3Dディスプレイ(ライトフィールドディスプレイ)を作られています。これはミラーが向いている方向に応じて、プロジェクターで表示する画像を変えることで、360度の水平方向全方位から照射されるオブジェクトを見られるようになっています。私も前職時に似たシステム(論文情報へのリンク)に関わっていたので、こちらも特に興味深かったのです。

Ramesh Raskarさん

Paulさんについて調べていると、「西のPaul Debevecさん、東のRamesh Raskarさん」なのでRameshさんの仕事も見てみなさいというアドバイスを先輩から頂きました。RameshさんはMIT Media LabでAssociate Professorとして、毎秒一兆枚の高速度カメラを開発されています。詳細は以下の「Femto-Photography: Visualizing Photons in Motion at a Trillion Frames Per Second」に記載がありますが、以下の動画でわかりやすく解説されています。ガラスの瓶に入っていく光(光子)を超高速カメラでかつ複数回撮影することで、光の動きすら撮影してしまうフェムト(=0.000 000000000001倍、千兆分の一の量)・フォトグラフィーという技術です。同様の技術を使うことで、角の向こうや体内も非侵食で撮影できる可能性もあるとのことです。

Rameshさんはプロジェクションマッピングの原型の一つであるShader Lampの開発者としても知られています。Shader Lampは1998年から2002年ごろに行われていた研究で、実空間のオブジェクトに対して映像をプロジェクションすることで、そのオブジェクトの模様や陰影を変える表現技術です。15-20年前にアカデミックで研究されていた技術が、今になって実用化されてきたんですね。
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まとめ

当社が取り組んでいる実写系バーチャルリアリティ(パノラマ動画)もまだまだスタートしたばかりで、コンピュテーショナルフォトグラフィの各種技術を応用することで、これまで見たことがない映像・ユーザ体験を実現できそうです。ますますDCEXPO2015が楽しみになってきました。

PANOPLAZA MOVIE iOSアプリ公開

2015年10月

これまでiPhoneでPanoPlaza Movieを見た場合には使用しているプレーヤーの関係で音声が再生できない状況が発生しておりました。このたび公開したPanoPlaza Movie iOSアプリでは、ウェブ版に投稿されているパノラマ動画をすべてリスト表示で見られると同時に、音声と合わせた再生を実現し、かつGoogle CardboardやハコスコといったスマホVR用のためのサイドバイサイド表示にも対応しました。是非お試し下さい!

▶ 見るだけ。360°動画を通じて空間を擬似体験できる
▶ 360°動画の最新動向や可能性を常にチェックしたい人必携のアプリ!
▶ 360°動画をタッチや iPhone の向きに応じて操作できる
※ 1眼・2眼の両方式のスマホ用ヘッドマウントディスプレイをご利用いただけます
※ PANOPLAZA MOVIE では、こちらにアップロードされている動画を見ることが出来ます。

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PanoPlaza Movieの更新と公式iOSアプリの公開

2015年10月

PanoPlaza Movieのリニューアル

パノラマ動画共有サービスであるPanoPlaza Movieについて、投稿動画数の増大や今後の企業ユーザの動画掲載に備えて、デザインを一新し検索機能、カテゴリ分け、ユーザページの強化などの改善を行いました。

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PanoPlaza Movie公式iOSアプリ

これまでiPhoneでPanoPlaza Movieを見た場合には使用しているプレーヤーの関係で音声が再生できない状況が発生しておりました。このたび公開したPanoPlaza Movie iOSアプリでは、ウェブ版に投稿されているパノラマ動画をすべてリスト表示で見られると同時に、音声と合わせた再生を実現し、かつGoogle CardboardやハコスコといったスマホVR用のためのサイドバイサイド表示にも対応しました。

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VRを使用したマーケティングソリューションの強化

PanoPlaza Movieとそのアプリの両方にて、特集コーナー(Official, Special)を新設しました。今後パートナー企業様のコンテンツはこちらのコーナーに掲載してまいります。パノラマ動画を利用したプロモーション動画の撮影とともに、その動画のウェブやアプリでの配信もPanoPlaza Movieにおまかせ頂ければと思います。

是非、お試しください!

Tech In Asia Tokyo 2015に出展します

2015年9月

カディンチェ株式会社は2015年9月8日(火曜日)より渋谷ヒカリエにて開催される「Tech in Asia Tokyo 2015」に出展いたします。

パノラマ動画共有プラットフォームであるPanoPlaza Movieや、パノラマ動画ライブストリーミングのPanoPlaza Liveをご紹介します。またこれらに関連する開発・制作事例紹介をさせてただきます。

イベント概要

  • 名称:Tech in Asia Tokyo 2015
  • 会期:2015年9月8日(火) 午前10時から午後6時まで
  • 開場:渋谷ヒカリエ9階
  • 備考:イベントは9月9日も開催ですが、弊社のブースは9月8日のみ出展です

弊社ブース位置

  • 小間番号:30

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techinasia2015-brochure

360度パノラマライブストリーミングサービスの開始

2015年8月

パノラマライブストリーミングサービス第1弾として、8月8日に開催されたVRイベント「VRコンソーシアム」で生中継を行い、パノラマライブストリーミングサービスを開始しました。パノラマライブストリーミングサービスとはどのようなサービスでどのような使用用途が考えられるか。また現状取り組んでいる内容なども踏まえてご紹介いたします。

パノラマライブストリーミングの特徴

パノラマライブストリーミングは、専用カメラで撮影した360度全方位の映像をインターネッット経由で、リアルタイム配信します。
配信された映像はPC上のInternet ExplorerやChromeなどのブラウザで閲覧でき、配信元の映像を上下左右に視点変更しながら、自分の好きな視点を選んで閲覧する事ができます。

現在は、閲覧する場所として弊社パノラマ動画専用サイト「PanoPlaza Movie」に配信用の専用ページを作成し、配信を行っています。

パノラマストリーミングの使用用途

パノラマライブストリーミング第1弾として行ったイベント会場の中継映像を始め、様々な使用用途が想定されます。例えばコンサート会場やスポーツ観戦などがあります。遠隔地開催や会場規模の物理的制約など様々な理由により、現地に行く事が出来ない顧客に対して全方位の中継映像を配信する用途が考えられます。更に将来的には中継映像をOculus RiftなどのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で閲覧可能にする事で、中継元に自分がいるかのような没入感を提供する事も可能となります。

パノラマストリーミングの現状の課題と今後の予定

現状のシステム上の課題として、カメラ間の映像を綺麗に繋げる事が難しくハードウェアの機種選定も含めた画質の向上に取り組んでいます。また、現状はPC上での閲覧限定ですが、視聴者がより手軽に便利に閲覧できる様にモバイル対応に向けた研究開発を継続中です。その他にも前述したHMDへのリアルタイム配信対応などライブストリーミングを通じて新たな価値を提供し、社会に驚きを与える技術・サービスを継続して提供していきます。

ご意見・ご質問

パノラマライブストリーミングにご興味がある方はこちらよりお問い合わせ下さい。

360度パノラマライブストリーミングサービスの開始

2015年8月

報道関係者各位
プレスリリース

2015年8月7日
カディンチェ株式会社

360度パノラマライブストリーミングサービスの開始
~8/8 VRコンソーシアムイベントで公開実験~

カディンチェ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:青木崇行)は、 360度パノラマ動画共有サービス「PanoPlaza Movie」にて、パノラマ動画のライブストリーミングサービスを開発しました。パノラマライブストリーミングの公開実験第1弾として一般社団法人VRコンソーシアム様の2015年8月8日のイベントを全方位生中継いたします。

パノラマライブストリーミングの特徴

パノラマ動画によるリアルタイムストリーミングでは、中継現場に設置したパノラマカメラで撮影される全方位映像を、インターネットを経由して視聴者のパソコンに配信します。視聴側では、配信されてくる映像をマウスやタッチ操作で回転させることで、好きな方向の映像を見られます。距離的に訪問しづらかったり会場の収容人数に制限のあるイベントなどを、より臨場感豊かにリアルタイムに伝えられます。

パノラマライブストリーミングの可能性

コンサートやスポーツなどのイベントでは、生中継のニーズが高くなっています。従来の通常動画のストリーミングでは視点が固定されており、好きな方向を見られず没入感も低い体験になっておりました。パノラマライブストリーミングにより全方位を見られ、まるでその会場にいるような体感を得られます。将来的には複数のパノラマカメラを会場に設置することで、好きな地点の好きな方向をご覧頂けるようになります。

第1弾公開実験:VRコンソーシアム(8/8)

パノラマライブストリーミングの第1弾公開実験として、2015年8月8日(土)15:00-16:00に開催される一般社団法人VRコンソーシアムのVRCクリエイターズトーク Vol.1 「VRが拡張するコミュニケーション : FOVE」イベントを生中継しました。

事業・サービスの詳細

なお、本事業に関する詳細は「サービス:パノラマ動画ライブストリーミング」に掲載していく予定です。

パノラマライブストリーミング装置

360度パノラマライブストリーミング装置

パノラマライブストリーミング表示画面例

パノラマライブストリーミング表示画面例(ハメコミ合成によるイメージです)

第7期を終了し、第8期に!

2015年8月

お陰さまでカディンチェ株式会社は第7期を無事に終えられました。皆様のご協力・お声掛けに感謝しております。

第7期はパノラマ動画の共有・配信プラットフォームPanoPlaza Movieの開発・運用開始から始まり、パノラマ動画を利用したバーチャルリアリティコンテンツやアプリの開発を中心に活動いたしました。

実写系バーチャルリアリティ

第6期までは空間表現技術して主にパノラマ静止画を使用したPanoPlazaやバーチャルツアー・バーチャルショップ制作の業務を展開していました。しかし第7期よりRicoh ThetaやKodak SP360といったパノラマ動画を撮影できるカメラや、一般のユーザにも手頃な価格で購入できる全方位型ヘッドマウントディスプレイOculus Riftやハコスコが出てきて、いよいよパノラマ動画=実写系バーチャルリアリティコンテンツの時代が到来したことを感じました。そこからはバーチャルリアリティの波に乗れるように以下のような活動をしてきました。

・2014年10月24日:bonobos「春のもえがら」360°パノラマ動画MUSIC VIDEO
・2014年12月01日:360度パノラマ動画共有サービスPanoPlaza Movieを開発
・2015年01月22日:360度パノラマ動画専用プラットフォームの提供開始(ハコスコストア)
・2015年04月15日:BotsNew Playerを開発(パノラマ動画プラットフォームとアプリ提供)
・2015年06月03日:ジャガー・ランドローバーのバーチャル試乗体験システムを開発
・2015年06月08日:Sports VR with JackIn HeadがVRクリエイティブアワード優秀賞に

驚きを作り続けるチーム

パノラマ動画やバーチャルリアリティが一般化してくると、技術やサービスに対する要求も一般的なものになります。それはプラットフォームの安定性、汎用的・一般的機能の実装などでどれもサービスの発展には必要なものです。なければならないもの・あって当たり前のものを提供しつつ、研究開発・創発的な実験を通した驚きを作り続けるのが当社のミッションですので、第8期にもアグレッシブに行きたいと思っています。

1万時間の努力

ノンフィクション・ライターのマルコム・グラッドウェルさんによると、どんな分野のプロフェッショナルも1万時間の練習(努力)が必要だと著書「Outliers(邦訳:転載!成功する人々の法則)」で書かれていました。当社は丸7年間営業してきたわけですが、そろそろこの1万時間を超えた計算になります。プロフェッショナルとして、そして願わくばアウトライアーとして、開花していきたい次第です。

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ベトナム・ハノイ出張の様子

第8期もよろしくお願いいたします!

「オートックワン」に掲載されました!

2015年7月

2015年7月8日、車選びの総合支援ポータルオートックワンにて、”日本初“バーチャル試乗体験システム”で高級SUV「レンジローバー」の走破性を疑似体験”、という記事を掲載戴きました。記事はこちらからご覧いただけます。

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先端コンテンツ技術展に出展します

2015年6月

カディンチェ株式会社は今週7月1日(水曜日)より東京ビッグサイトにて開催される「第1回 先端コンテンツ技術展」に出展いたします。

今回はペーパー製VRビューワー、Swingを展開されている星光社印刷様との共同出展となります。

弊社からは「VRマーケティング・ソリューション」と題して、VR技術をお客様のマーケティングやプロモーションにご活用いただくための総合的なソリューションサービスをご紹介いたします。本サービスでは、360度全方位が見渡せるパノラマ動画の撮影・制作はもちろん、配信プラットフォームの提供から視聴アプリの開発までトータルにサポートします。

イベント概要

  • 名称:第1回 先端コンテンツ技術展
  • 会期:2015年7月1日(水)~3日(金) 午前10時から午後6時まで
  • 開場:東京ビッグサイト 西展示棟(西2ホール)
  • 主催:リードエグジビジョン ジャパン 株式会社

弊社ブース位置

  • 小間番号:7-67

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イベント期間中はPanoPlaza MovieオリジナルデザインのSwingも配布予定です。

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また、ANA様やジャガー・ランド・ローバー様といったお客様事例に加えて、先日VRコンソーシアムが主催するVRクリエイティブアワード2015で弊社が優秀賞を受賞した「Sports Virtual Reality with JackIn Head」のコンテンツもデモ展示しております。ぜひお気軽にお立ち寄り下さい!

VRCクリエイティブアワード2015に参加しました!

2015年6月

弊社が制作したスポーツVRが、2015年6月6日に行われたVRコンソーシアム主催の“VRクリエイティブアワード2015”にて、全139作品の応募の中から、最優秀賞に次ぐ優秀賞を受賞しました。

各競技ごとのスポーツVR動画はパノラマ動画一覧ページよりご覧頂けます。

今回の撮影はトップアスリートの方々にご協力を頂き、カメラ付きヘルメットを装着した状態で、競技をしてもらいました。トップアスリートのキャスティングにはアスリートソサエティの為末さんのご協力を頂いております。

VRCクリエイティブアワード2015の詳細はこちらをご覧ください。

また弊社HPに本作品に関する詳細を掲載していますのでこちらも合わせてご覧ください。