WindowsでGitHubの複数アカウントをhttpsで使い分ける

2020年5月

はじめに

GitHubの複数アカウントを使い分けるには片方のアカウントでSSH接続する方法があります。ですがGitHubでGit LFSのファイルはhttpsのみでSSHにできないのでダウンロードできません。そこでCredential Managerのnamespaceで複数アカウントをhttpsで使い分けます。

必須環境

Git for WindowsのインストールウィザードでEnable Git Credential ManagerをチェックしてCredential Manager for Gitを一緒にインストールします。

image.png

メインアカウントの設定

特に設定は不要です。git cloneなどを行って認証するとコントロールパネルの資格情報マネージャーのWindows資格情報にgit:https://github.comが追加されます。

image.png

サブアカウントでの設定

Credential Managerでnamespaceを設定すると資格情報の先頭のgit:が変わり複数のアカウントを使い分けることができます。

  1. cloneする時はnamespaceが設定されていないので-c credential.namespaceで指定します。指定する名前はgit以外の英数字なら何でも構いません。

    git -c credential.namespace=sub clone https://github.com/[name]/[repository].git
    
  2. ダイアログが出てくるのでサブアカウントのアカウントとパスワードを入力します。

  3. cloneできたらローカルコンフィグにcredential.namespaceを設定します。

    cd [repository]
    git config credential.namespace sub
    
  4. pushして失敗しない事を確認します。

    git push
    

cloneして認証が通った後に資格情報マネージャーを開くとsub:https://github.comが追加されています。

image.png

詳しくはCredential Manager for Windowsのcredential.namespaceを参照してください。

注意点

git configのConditional Includesを使うとgitdir:で指定したフォルダにcredential.namespaceを設定できそうですがCredential ManagerがConditional Includesに対応していないので利用できません。issuesに要望を上げたので興味ある方はリアクションやコメントをお願いします。

参考リンク

実行中のadb server/Unity組込み/Android Studio/環境変数からadbを探して実行するPowerShell関数

2020年5月

はじめに

PCに複数のadbやAndroid SDKがインストールされている時に起動中のadb serverと違うバージョンのadbを実行するとadb serverが再起動してしまいます。そのため、なるべく同じバージョンのadbを実行するPowerShellの関数を作りました。

スクリプト

PowerShellの$profileに以下のスクリプトを追加してadbを実行すると以下の順番でadbコマンドを探します。

  1. 実行中のadb server
  2. 実行中のUnityから一緒にインストールしたAndroid SDKのadb
  3. Android StudioからインストールしたAndroid SDKのadb
  4. 環境変数PATHのadb
function FindAdb() {
    # find from process list
    $adbPath = Get-Process -Name "adb" -ErrorAction Ignore |
        Sort-Object Id |
        Select-Object -First 1 -ExpandProperty Path
    if ($null -ne $adbPath) {
        return $adbPath
    }
    # find from Unity in process list
    $adbPath = Get-Process -Name "Unity" -ErrorAction Ignore |
        Select-Object @{
            label="adb"
            expression={
                Join-Path (Split-Path $_.Path) "Data" "PlaybackEngines" "AndroidPlayer" "SDK" "platform-tools" "adb.exe"
            }
        } |
        Where-Object { Test-Path -Path $_.adb -PathType Leaf } |
        Select-Object -First 1 -ExpandProperty adb
    if ($null -ne $adbPath) {
        return $adbPath
    }
    # find from LOCALAPPDATA
    $adbPath = Join-Path $env:LOCALAPPDATA "Android" "Sdk" "platform-tools" "adb.exe"
    if (Test-Path -Path $adbPath -PathType Leaf) {
        return $adbPath
    }
    # find from path
    $adbPath = Get-Command -Name "adb" -CommandType Application,ExternalScript -ErrorAction Ignore |
        Select-Object -First 1 -ExpandProperty Source
    if ($null -ne $adbPath) {
        return $adbPath
    }
    # not found
    return "adb.exe"
}
function ExecAdb() {
    $adb = FindAdb
    & "$adb" $args
}
Set-Alias -Name adb -Value ExecAdb

[Tips] ErgoDox EZ を Windows で利用する際に一部の記号が正しく入力出来ない問題の解決方法

2020年5月

本記事に記載されている対処を行うことで、
手っ取り早く Windows でも ErgoDox EZ が正常に利用可能になりますが、
逆にノート PC 側でキーを入力する際に一部の記号が正しく入力出来なくなります。

また、
デスクトップ PC を使っている or ノート PC がデフォで英字キーボード搭載している場合は、
本記事の対処を行わずとも Windows で正常に ErgoDox EZ が使用できると思われます。

はじめに

普段 Mac で開発しているのですが、故あって、
しばらく Windows 機メインで開発を進めることになりました :hammer:

キーボードは ErgoDox EZ を使っているので、
Windows に繋げて早速セットアップしようとしたところ、、
とか とか 等の一部記号が入力出来ない事態に遭遇しました。。

少し調べると、
キー割り当てを JIS キーボード向けにして設定する方法を見つけたのですが、
若干手間だったのでもっと簡単に対処できる方法は無いか調査しました:writing_hand:

調査の結果、簡単な対処法を発見したので、
記事として残しておくことにしました:thumbsup:

対処法

キーボードのレイアウトを英字キーボードに変更することで対処可能でした :thumbsup:

まず、検索ボックスを開き 言語の設定と入力して設定画面に遷移します :arrow_down:
5ff64a3d83776556d3b89f50e37f9d32.png

表示される言語設定ウインドウの左に表示される 言語 をクリックして、
優先する言語の日本語の欄をクリックして オプション ボタンをクリックします :mouse_three_button:
fdbc2bb5144b0b65388208cb5399ed88.png

レイアウトを変更する ボタンをクリックして、
日本語/英字キーボード切り替えダイアログを表示します :keyboard:
19fafb9e2a78f435364662af36b353a0.png

表示されたダイアログのセレクトボックスから 英語キーボード(101/102キー) を選択し、
今すぐ再起動する ボタンをクリックして設定内容を反映させます :white_check_mark:

a05f39b928b87725e1c20497db16ec28.png

再起動後、入力出来なかった が入力可能になっていれば OK です :tada:

[補足] 日本語と英語入力切替のショトカを設定する

Windows だと LANG1LANG2 といったキーを検知してくれず、
日本語と英語入力切替が上手くいかない問題も発生しました。。

こちらの問題は、日本語と英語入力切替のショトカを設定することで解決しました :muscle: :arrow_down:
Windows10を英語配列キーボードで使っている人向け日本語入力切り替えの変更方法

おわりに

今回はとにかく早く ErgoDox EZ を利用したいときに使える Tips をご紹介しました :thumbsup:

ちなみに、ノート PC 側の日本語キーボードを入力に使いたくなった場合は、
キーボードのレイアウトを 日本語キーボード に戻すことで正常に使えるようになります:pencil:

また、日本語/英語キーボードを共存させることが出来れば、
ErgoDox EZ でもノート PC 側のキーボードでも、
常に正しくキー入力出来る環境が整えられそうなことが分かったので調べていました :mag:

しかし、現時点 (2020/05/07) では、
日本語/英語キーボードを共存させる仕組みは無さそうでした... :arrow_down:
日本語キーボードと英語キーボードの共存

より良い対処法がもしあれば、是非ご教授いただけますと幸いです。。:bow: :pray: :sweat_drops:

参考リンク

PowerShellで環境変数をGUIで一覧表示

2020年4月

Out-GridViewはPowerShell Core 6に実装されていないのでコマンドから省くとターミナルに表示できます。

環境変数をGUIで一覧表示

# 長いコマンド
Get-ChildItem env: | Out-GridView
# 短いコマンド
gci env: | ogv

環境変数PATHをGUIで一覧表示

# 長いコマンド
$env:PATH -split ';' | Out-GridView
# 短いコマンド
$env:PATH -split ';' | ogv

環境変数PATHを重複なし、重複回数を一覧表示

# 長いコマンド
$env:PATH -split ';' | Group-Object | Select-Object Name,Count | Out-GridView
# 短いコマンド
$env:PATH -split ';' | group | select Name,Count | ogv

環境変数PATHから存在しないフォルダを一覧表示

# 長いコマンド
$env:PATH -split ';' | Where-Object {-Not (Test-Path -PathType Container $_)} | Out-GridView
# 短いコマンド
$env:PATH -split ';' | ?{!(Test-Path -PathType Container $_)} | ogv

PowerShellでSelenium WebDriverを使うための勘所

2020年4月

はじめに

PowerShellからSeleniumを使ってみてインストールから使いたい機能の調べ方まで分かったことをまとめます。

始める

初めて使うならこのサイトがおすすめです。

このサイトではSeleniumのライブラリを直接ダウンロードしていますがnugetを使うとコマンドのみで完結するので楽です。

ライブラリのダウンロード

nuget install Selenium.WebDriver
nuget install Selenium.Support
nuget install Selenium.WebDriver.ChromeDriver

初期化とchrome起動と終了

フォルダ名のバージョンはダウンロードしたものを合わせてください。

# パス設定
## nugetでダウンロードしたフォルダ
$seleniumHome = '.'
## WebDriver.dllのフルパス
$webDriverDllPath        = Convert-Path (Join-Path $seleniumHome '\Selenium.WebDriver.3.141.0\lib\netstandard2.0\WebDriver.dll')
## WebDriver.Support.dllのフルパス
$webDriverSupportDllPath = Convert-Path (Join-Path $seleniumHome '\Selenium.Support.3.141.0\lib\netstandard2.0\WebDriver.Support.dll')
## chromedriver.exeがあるフォルダのパス
$chromeDriverDirPath     = Convert-Path (Join-Path $seleniumHome '\Selenium.WebDriver.ChromeDriver.80.0.3987.10600\driver\win32')
# dll読み込み
Add-Type -Path $webDriverDllPath
Add-Type -Path $webDriverSupportDllPath
# chrome起動
$chromeDriver = New-Object OpenQA.Selenium.Chrome.ChromeDriver($chromeDriverDirPath)
# chrome終了
$chromeDriver.Quit()

雰囲気が分かってきたら

Seleniumの公式ドキュメントを辿ると機能とそのためのサンプルコードが載っているので参考になります。

特によく使いそうな機能も解説されています。

Selenium PowerShell Module

できる事が分かってくるとPowerShell Moduleを使ってもいいでしょう。これは全部入りなので個別にdllをダウンロードしなくても利用できます。

https://github.com/adamdriscoll/selenium-powershell

モジュールのインストール

Install-Module -Scope CurrentUser Selenium

サンプルは以下のフォルダに用意されています。

https://github.com/adamdriscoll/selenium-powershell/tree/master/Examples

このモジュールでchrome起動と終了は以下のようになります。

# Seleniumモジュールをインポート
try {
    Import-Module -Name Selenium -ErrorAction Stop
}
catch {
    Write-Host 'Importing the Selenium module failed. Please install it using the following command: Install-Module Selenium'
    break
}
# chrome起動
$Driver = Start-SeChrome
if (!$Driver) {
    Write-Host "The selenium driver was not running." -ForegroundColor Yellow
    Return
}
# chrome終了
Stop-SeDriver -Driver $Driver

もっと詳しく

使いたいクラスのnamespaceやメソッドを探すときはAPIリファレンスから探すといいでしょう。

Gear 360の使い方

2016年7月

2016年7月15日、Samsung社は360度動画撮影が可能な「Gear 360」がGalaxyブランドとして発売されました。本ページではGear 360での360度動画撮影や撮影した映像をパソコンに取り込む方法をご紹介いたします。

Gear360本体での撮影

microSDとバッテリーを本体に挿入し、添付画像下にある電源ボタンを長押します。

gear360_2

MENUボタンで撮影モードの切り替えが可能です。モードはGear360本体の上部にLED表示され、確認する事ができます。Gear360の上部にあるOKボタンで、録画の開始/終了や写真の撮影を行います。

gear360_3

モードの種類

  • 録画モード
  • 写真モード
  • タイムラプスモード
  • 動画のループモード
  • 設定

アプリ連携後の撮影

Gear360はGalaxyのスマートフォンと連携することで、ライブビューや視聴、共有が可能になります。

Gear360とGalaxyの接続

Gear360の電源を入れ、メニューボタンを長押しすると、ペアリングモードになります。

Galaxy上でGear 360 Managerというアプリをインストール後、アプリを起動し、BluetoothをONにします。その後、「GEAR 360に接続」をクリックします。
Gear360_Manager
Gear360をBluetoorh経由で検索されるため、画面の指示に従って接続を完了させてください。

録画・撮影・視聴

画面の右下にあるボタンをタップすると、ライブビューを使用できます。
Gear360_Manager2

撮った画像はGear360のカテゴリに保存されるので、そこから視聴や共有をすることができます。

PCでのスティッチ・閲覧方法

Gear360で撮影した360度動画・静止画は、PCに取り込み、スティッチする事も可能です。Galaxyのアプリでスティッチング(画像の統合)を行うと、解像度が低下してしまいます。そのため、解像度を撮影時の状態に保つためには、パソコンに取り組んでスティッチングを行います。

スティッチ専用Windowsアプリのインストール

PCでスティッチを行うためには、Gear360のWindows専用アプリケーションを使う必要があります。Gear 360のホームページから「Gear 360 ActionDirector」をインストールします。インストール後、Gear 360 ActionDirectorを起動し、「360 VR動画」を選択します。

Gear 360から動画ファイルを取り込むには、USBケーブルをパソコンに接続し、転送を行います。

取り込んだ動画・写真をスティッチングする

ウィンドウ上に取り込んだ動画ファイルをドラッグすると、ライブラリに入り、自動的にスティッチングが行われます。
gear360_pc1
ライブラリから下のタイムラインにコンテンツをドラッグします。上部にある「ファイル」を選択し、「出力」を選択します。
gear360_pc2
任意の設定をして、「開始」を押すと出力が始まります。出力が終わると、選択したフォルダにスティッチングされた動画ファイルがあることが確認できます。

最後に

Gear 360はGalaxyとしか連携できないという点はありますが、4K動画がとれるほどの解像度や本体の軽さはGear 360にしかない魅力です。また、非常にシンプルで使いやすく、手軽に360度動画を撮影する方法として適したデバイスではないでしょうか。

RICOH THETA Sのパノラマ動画撮影方法

2016年1月

ボタン1つで手軽に360度全方位の静止画・動画を撮影できるRICOH THETA S。
本ページでは、THETA Sを使ったパノラマ動画撮影方法をご紹介します。撮影する方法は2種類。直接本体で撮影する方法とWifi経由でスマホから撮影する方法です。

THETA S本体での撮影

ThetaS2

Theta本体のサイドにある電源ボタンを押して起動します。一番下にあるボタンが撮影モードを切り替えることができるボタンで、静止画と動画2種類の撮影モードを選択できます。静止画モードはカメラアイコン、動画モードはビデオカメラアイコンが青く点灯します。

ビデオカメラアイコンが青く点灯している状態で、撮影ボタンを押すと録画が開始されます。録画中は撮影ボタン上部にある丸いLEDが消え、ビデオアイコン下に赤色のLEDが点滅します。
ThetaS2

再度、撮影ボタンを押すと録画を終了し、赤色LEDが消灯します。

スマホによる遠隔操作での撮影

THETA S専用のアプリをスマホにインストール後、THETA S本体とスマホをWifi接続します。

写真左側の画面が表示され、下部のThetaアイコンをクリックすると右側の画面が表示されます。上部のカメラアイコン及びビデオアイコンで撮影モードを切り替えることができます。写真は動画モードを選択した状態です。動画モードでは2種類の動画サイズ(1920×1080および1280×720)を選択できます。

ThetaS-app

画面中心のThetaアイコンをタップすると動画撮影が開始され、録画時間がリアルタイムでカウントされます。
再度同じThetaアイコンをタップと撮影が終了します。

撮影した動画の変換方法

撮影した動画は魚眼レンズで見た状態になっているため、専用のアプリで閲覧可能な形式(アスペクト比2:1のエクレクタンギュラー形式)に変換します。Ricoh Thetaの公式サイトより公式アプリをPCにダウンロードします。ダウンロードしたThetaアプリを起動し、撮影した動画データをドラッグアンドトロップすると出力先を選択する画面が表示されます。出力先を指定後、開始ボタンをクリックすると動画変換が開始されます。

ThetaS-app3

Macをお使いの場合、通常は写真アプリが起動してしまいThetaが外部ストレージとして認識されません。シャッタボタンとWifiボタンを同時に押した状態でUSB接続する事で外部ストレージとして認識されます。

変換した動画のアップロード

変換した動画はRicoh ThetaのサイトやYoutubeなど360度全方位閲覧に対応した動画閲覧共有サービスにアップロードする事でWeb上に公開できます。下記動画はPanoPlaza Movieにアップロードした動画です。本動画は1920×1080で撮影した動画となり、2014年に発売されたRicoh Theta m15と比較すると綺麗な画質となっている事が確認できます。

VRをビジネス活用する前に知っておきたいVRの市場規模と今後の動向について

2015年10月

急拡大するVR(バーチャル・リアリティ)の市場規模。進化しつづける技術とコンテンツを、どう活用するか

VR企業全体の資金総額は、この3年間に年平均約65%の成長を遂げている

vr_market_2015-1024x368

※参考:The Illustrated Guide to the VR Investment Landscape [Infographic] – UPLOAD  VR

上のグラフは、2010年以降に「VR企業」が調達した資金総額です。特に2012年以降、VR(バーチャルリアリティ)市場に投入された資金は爆発的に増えています。この10年で見ると、VR系の企業の数はおよそ15倍にも膨らんでいます。VRと言っても、様々なテーマ、用途がありますが、下記は2015年7月時点でVR企業が調達した資金総額の累計をランキングしたものです。

1位 OCULUS 9400万ドル

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)『Oculus Rift』、『Gear VR』(Samsungとの共同)の開発。現在は開発者向けモデル『DK2』が販売されており、製品版『Oculus Rift』は2016年発売予定。2014年Facebook社により20億ドルで買収済。

2位 Matterport 5600万ドル

撮影した3D空間をVR、AR、Web上に導入する技術を開発しています。VR空間でモデルルームの中を歩き回るGear VR対応のデモアプリがリリース中。

3位 Razer 5000万ドル

現在OSVR(Open-Source Virtual Rearity)というハード・ソフト全てがオープンソースとなるプラットフォームをプレリリースしています。

4位 LEAP Motion 4410万ドル

人間の手を感知してVR空間に反映させる『Leap Motion』をリリース。これによってVR空間に、自分の”手”で干渉できるようになりました。また、視野角の広い独自のHMDも開発しています。

5位 CCP Games 3600万ドル

PC向けのOculus Rift、PS4向けのProject Morpheus、両方のハードに対応しているスペースSTG『EVE:Valkyrie』などを開発しています。

6位 JAUNT 3500万ドル

360度映像を体験できるような実写VRコンテンツの制作、および立体視専用カメラの『NEO』を開発中。JAUNTはつい先日、ディズニーより新たな出資を受けた。

7位 zSpace 2700万ドル

3D眼鏡を用いることで、ディスプレイから画像が飛び出し、現実で3Dモデルとして見ることができるタブレット端末の開発。医療や教育の分野でも応用されています。

8位 IMPROBABLE 2200万ドル

世界をシミュレートする仮想環境の開発。これを用いることで、数百万人の行動や相互のやり取りがシミュレートできます。

9位 Linden Lab 1900万ドル

2003年サービス開始のMMOメタバースゲーム『Second Life』の開発・運営元。次作となるVRを活用したメタバースを構築していることが明らかになっている。

9位 NIVAL VR 1800万ドル

脳や細胞などのミクロな世界をVR上で見ることができるアプリを教育目的で開発。それらの仕組みなどを視覚的に理解できます。

※参考:The Illustrated Guide to the VR Investment Landscape [Infographic] – UPLOAD  VR

昨年、facebook社により買収されたことで話題となった「Oculus」を筆頭に、トップ10社だけで調達資金の合計は4億ドル、400億円近くの資金が投入されたことになります。また、これら10社の展開する製品やサービスを見ると、VR(バーチャルリアリティ)というキーワードが、様々なデバイス、技術、用途に浸透し、幅を広げていることがわかります。この流れは、今後さらに多くの資金が、より多くのVR企業に広がっていくことを期待させます。VR(バーチャルリアリティ)の世界に火がつき始めたのは、ほんの数年前。この数年で資金を調達してきた企業の幅広さを考えると、VRの市場が本格的な成長を遂げるのは、まさにこれからなのかもしれません。

資金投資先の割合と、用途でみるVR(バーチャルリアリティ)の今後

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上のグラフは、前段でご紹介した資金の投資先を、その企業の製品・サービス別に見たものです。もっとも多いのは、「Oculus」に代表されるHMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)に向けた投資。次に多いのが、ゲームなどのコンテンツ制作(Content publisher)に充てられた投資です。HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)を使った没入型のコンテンツ閲覧が、今後もVRの王道となっていくことが想定されます。また、様々な趣向の新しいコンテンツが次々と登場しそうです。

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次のグラフは、先ほどの投資資金を、VRの用途別に見たものです。ゲーム・エンターテインメントの分野が、圧倒的に大きな割合を占めています。VR(バーチャルリアリティ)に期待されるのは、特にこの「ゲーム・エンターテインメント」における、一歩新しい表現とコンテンツ体験かもしれません。一方、産業分野や教育、医療などの分野においても投資額は確実に増えてきています。VRが実現する新しい世界に期待を寄せるのは、「ゲーム・エンターテインメント」に関連する業界だけでもなさそうです。

直近のVRは特にゲームやイベント、アトラクションなど、「コンテンツそのもの」を提供する領域を中心に、発展を遂げていきそうです。また、企業がそのマーケティング活動の一環として、VRを活用したゲームやイベントを展開するケースも増えてきており、PANOPLAZAがお手伝いしたいのはまさにそうした「ビジネス」におけるVR(バーチャルリアリティ)です。

2015年3月、Youtubeがいち早く360度VR動画に対応すると、9月にはfacebookも対応を開始しました。写真共有SNSの「Flickr」でも360度VRの導入を発表しています。VR、特に実写映像を活用した360度VR動画は、より身近なコンテンツとして扱えるようになってきています。360度カメラの進化も合わせ、360度VR動画は今後爆発的にコンテンツの数が増えて行くと予想されます。そうした中、企業にとってのVRは、そのマーケティングやプロモーションにおいて強力な武器となっていくはずです。

ゲームやエンターテインメントの分野で行われる新たな取り組みや、進化する技術とアイデアが、VR(バーチャルリアリティ)市場の全体を活性化し、様々な分野で活用が広がっていく。それに伴い市場規模も大きくなり、また新しい取り組みが行われる。そうした良い循環の起点に、VRはいま立っているのではないかと考えます。

VRをiPhoneやAndroidなどのスマホで体験する

2015年10月

VR(バーチャルリアリティ)をスマホで楽しむ

「まるで現実世界のように」、仮想世界を体験できる「VR(バーチャルリアリティ)」。様々な体験方法がありますが、360度映像を楽しむにはGearVRやOculus RiftなどのHMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)がお勧めです。装着すると、人の視界の大部分をカバーする大画面。頭の動きに合わせて視野が変化するため、まるで実際にその場にいるかのような錯覚を起こします。そのリアリティと没入感は非常に高く、バーチャルリアリティ内で切り立つ崖の上に立てば本当に足がすくんでしまうほどです。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の解像度には及びませんが、iPhoneやAndroidなどのスマホ(スマートフォン)を使ってVR(バーチャルリアリティ)を体験することもできます。PCの画面で見るように、スマホの画面で普通に閲覧することもできますが、せっかくの360度映像を楽しむのなら、「カードボード」と呼ばれるツールを使いスマホを簡易的なHMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)として再生した方が、VR(バーチャルリアリティ)としての臨場感も高まります。このページでは、スマホで360度VR(バーチャルリアリティ)を楽しむための方法をご説明しています。

VR(バーチャルリアリティ)をブラウザで見るか、アプリで見るか

360度VR(バーチャルリアリティ)をスマホで閲覧(または公開)するとき、通常のWebページと同様にスマホのブラウザで見るか、専用のアプリとして見るか、または「その両方」という選択肢があります。スマホで見る場合には、スマホ本体があれば特別な環境を必要としないため、より多くのユーザにアプローチできる可能性があります。PANOPLAZAでも、「360度映像の共有サービス PANOPLAZA MOVIE」を運営しています。YouTubeでも、360度映像を投稿できるようになりました。こうしたサービスを使って、誰でも簡単に360度VR(バーチャルリアリティ)映像を公開することができます。一方、アプリとして開発した場合、オリジナルのUIや追加機能を実装することができます。また、他の様々な機能と連携してマーケティングやキャンペーンを展開できるため、コンテンツや企画の自由度が増します。どちらの場合でも、「スマホ」と「VR(バーチャルリアリティ)」は、カードボードを使って再生することで、臨場感を高めることができます。

カードボードを使って360度VR(バーチャルリアリティ)を体験する

カードボードとは、ボール紙やプラスチック素材の「スマートフォンマウント」で、簡単に組み立てることができます。カードボードにスマホを装着して利用します。一般的なスマホは「加速度センサー」や「ジャイロセンサー」を搭載しているので、カードボードを利用することで、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)での再生に近い体験を演出できます。カードボードというのは一般名称ですが、360度VRの世界に早くから取り組んでいる米Google社の提供する製品名「Google Cardboard」から来ています。国内でも様々な製品が流通しています。代表的なものを、いくつかご紹介します。

スマホVRビュワー ハコスコ

1眼レンズモデル、2眼レンズモデルのほか、安価なボール紙製から高品質のプラスチック製のものまで、様々なタイプのマウントを提供しているのが、ハコスコです。

VR体験機 ボッツニュー

おもちゃメーカーの「メガハウス」が提供する「ボッツニュー」は、アプリと合わせて360度VR映像を提供する、プラスチック製のスマホマウントです。

ペーパー製VRビュワー Swing

印刷会社である「星光社印刷」が展開するのは、カラフルなペーパー製のVRビュワー「Swing」です。オリジナルデザインと豊富なカラーバリエーションが実現できるなど、印刷会社ならではのスマホマウントです。

スマホとカードボードで展開するVR(バーチャルリアリティ)のメリット

小さくて取り回しのよいスマホを、カードボードのような簡易的な筐体にマウントするというアイデアは、VR(バーチャル)コンテンツの可能性を広げました。いつでもどこでも没入型のVRコンテンツを楽しめるという気軽さは、VR(バーチャルリアリティ)体験の敷居を下げ、たくさんのユーザーに対するアプローチを可能にしました。現在の日本では「2人に1人」に普及しているというスマホとセットで使う道具である点も、ユーザの興味を引いています。オリジナル性の高いカードボードが、イベントやキャンペーンなどで配布されると、あっという間になくなってしまいます。アプリやインターネット上の企画と連動して、「カードボード」をノベルティとして配るようなマーケティング活動も注目されています。スマホの機能をより高度に活用することで、スマホとVR(バーチャルリアリティ)の活躍はさらに幅を広げていきます。そのとき、スマホをマウントする「カードボード」は、スマホでVRを体験する際になくてはならない存在になるかもしれません。

「PANOPLAZA MOVIE」や「YouTube」上で公開する360度VR(バーチャルリアリティ)映像の制作については、「パノラマ写真・VR動画の製作(MAKE CONTENT)」のページで、iPhoneやAndroidで配信する360度VRアプリの制作については、「VRアプリの制作・開発(DEVELOP APP)」のページでそれぞれご紹介しています。

 

5分でわかるVR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)の違いについて

2015年10月

VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)の違い

近年、話題となっているVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)と、数年前に話題となったAR(拡張現実)。似て非なる二つの言葉ですが、「VR」や「AR」といったキーワードに親しみがない方にとっては、「何が違うのか?」分からない部分があります。こうした技術に取り組む当事者の私たちにでさえ、「ARとはこういうもの」、「VR(バーチャルリアリティ)との違いはここ」といったように明確な言葉で説明するのが難しいテーマです。

「VR」と「AR」。実際に制作されたコンテンツを見てみると、この二つの言葉の「どちらにも当てはまる」ような事例も少なくありません。これだと、例えば何かの企画でモノを作るときに、「VR」を作ればいいのか、「AR」を作ればいいのか、分からなくなってしまいます。こういった言葉は、ある特定の技術やソフトを明確に指し示すものではなく、「技術の性格」や「コンテンツの意味合い」を指す言葉だと考えると、少し分かりやすくなるかもしれません。このページでは、そういったVRとARの違いを、できるだけ簡単な言葉でご説明していきます。

現実世界で人が感知する情報に、「何か別の情報」を加えて表現するのが「AR(拡張現実)」。

AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、「拡張」という言葉が指す通り、現実世界で人が感知できる情報に、「何か別の情報」を加え現実を「拡張」表現する技術やその手法のことです。視覚情報に、視覚だけでは感知できない情報を付加して表示するタイプのものが、事例としてはポピュラーです。例えば、スマホやタブレットのカメラ映像に表示される現実世界の映像に対して、位置情報などのデータや、実際にはその場にないはずの映像やCGを重畳させて表示するといったものです。実際の事例を見てみます。

星座表は、ARアプリの王道とも言えるオーソドックスな取り組みです。実際の星空を眺めながら、その星座の形や名前を確認できるなんて、ロマンチックですね。ARを使って現実世界を拡張し、ユーザーの利便性を高めるという良い事例です。

一方で、スマホやタブレットなどのモバイル端末を使ったARは、企業のプロモーションやキャンペーンとも親和性が高く、様々な事例が存在します。ナショナルジオグラフィック社のARプロモーションは、ショッピングセンターといった公共性の高い場所で、大型スクリーンを活用した多人数参加型・体験型のARコンテンツです。都市空間での現実世界に、大自然やロストワールドの世界映像を重畳させるというダイナミックな取り組みで、世界中で開催され話題を集めました。

イケアの事例では、「IKEAカタログ」というカタログアプリの中に、ARによる家具配置のシミュレーション機能が含まれています。この機能を使って、検討中の家具の3D映像を、自身の部屋に置いてみて全体の印象を確認することができます。「せっかく買った家具なのに、実際に部屋に置いてみると印象が違った」という、インテリア業界では起こりがちな問題に対する取り組みです。家具の3D映像だけでは分かりにくい全体の印象を、ARによって実際の部屋の映像に3D映像を重畳することで表現することができます。ARの特性をうまく活用した事例です。

ARの世界には、GPSやデバイスの加速度センサーを利用した「ロケーションベースAR」。あらかじめ配置された「マーカー」をカメラで読み取って、意図した場所に映像や画像を重畳させる「マーカー型ビジョンベースAR」など、いくつかのタイプがあります。最近では、マーカーを使わずに、現実空間に実際にある物体や造形の特徴を検知しトリガーとする「マーカーレス型AR」などの事例も増えてきました。ただAR全般に共通するのは、やはり「現実世界」の情報に、「何か別の」追加情報を加えて表現・利用する取り組みが、ARということができそうです。視覚情報のみならず、音声情報や、嗅覚・触覚など、人間のあらゆる感覚を拡張するための研究も盛んです。また、Google社が提供する「Google Glass」など、新しいデバイスも登場しつつあり、それらにARの技術が浸透していくことで、より豊かな表現、より便利な世の中をARが実現していく日も近いでしょう。AR(Augmented Reality:拡張現実)の発展は、まだまだこれからです。

仮想世界を含めたあらゆる体験を、時間や空間を超えてまるで現実世界のように表現するのが「VR(バーチャルリアリティ)」。

一方で、PANOPLAZAのメインテーマである、バーチャルリアリティ。バーチャル(仮想)という言葉が、CGや「架空の世界」を連想させますが、空想の世界を作り上げ体験することだけが、「バーチャルリアリティ」ではありません。「バーチャルリアリティ」という言葉は、「バーチャル(仮想)」も含めたあらゆる空間表現を、「まるで現実(リアリティ)であるかのように」体験するための技術や取り組みの総称だと、私たちは捉えています。ARとの大きな違いは、「ARが現実世界をベースに、追加情報を付加」するのに対して、「VR(バーチャルリアリティ)は、様々な形で作られた現実のような世界」に、「ユーザ自身が飛び込む」という部分にあります。作り込まれた「バーチャルリアリティ」がなんであれ、ユーザーが「まるで本物の世界」のように、体験し、行動することができるのが、「バーチャルリアリティ」の本質です。

事例をいくつか、ご紹介します。

ひとつ目の事例は、PANOPLAZAにてお手伝いさせて頂いた事例でもあります。「ジャガーランドローバー」社の、新車発表プロモーション企画で利用された「バーチャルリアリティ」で、Oculus Riftを使って、世界的なテニスプレーヤーである「錦織圭 選手」とのドライブを疑似体験できるというものです。当時まだ発売前の車なので日本に実車はなく、撮影はロンドンやバルセロナで行われました。「いまここにない車の試乗体験」を、時間と空間を超えて「バーチャルリアリティ」で体験できるというコンテンツです。さらに当時、全米オープンで準優勝を果たしたばかりの「錦織 圭 選手」との試乗を疑似体験できるということも話題となりました。実際には実現が難しい体験を、「まるで現実のように」、「バーチャルリアリティ」で体験するという典型的な事例です。

「zSpace」は、米zSpace社が開発する未来型の立体ディスプレイ。「立体メガネ」を着用すると、ディスプレイ各部に搭載されたセンサーがメガネの動き、つまりユーザの頭の動きを検知し、それに合わせてディスプレイ上の画面を立体表示します。これによりディスプレイに表示される映像は立体的に、物体はディスプレイ上部の空間に浮かんでいるように描画され、専用のペン(スタイラス)を使ってまるで「現実の物体」のように動かしたり回転できます。zSpaceによる立体視は秀逸で、画面上に浮かんだ仮想の物体を手に取るように操作することができます。ヘッドマウントディスプレイとはまた違った、没入感を実現しています。

「機動戦士ガンダム 戦場の絆」は、2006年に初代バージョンがリリースされた、バンダイナムコが提供するアーケードゲームです。コックピットを模した大型の筐体の内部はドーム型の大型スクリーンとなっており、モビルスーツ (アニメ作品内に登場する人型の大型ロボット)の操縦士として戦闘ミッションに参加します。バーチャルリアリティはこれまでゲームとの親和性が高く、様々な作品が発表されている中で、「コックピットを模した操作ブース」、「パイロットという特殊な体験」、「CGにより作り込まれた仮想世界」、「オンライン対戦などの付加価値」など、ゲームの枠を超えて、総合的な観点から「バーチャルリアリティ」と呼ぶにふさわしいゲームコンテンツの代表が、「機動戦士ガンダム 戦場の絆」です。

いろいろな形態が進化を遂げ、様々な形で活用されるバーチャルリアリティ

前段で、「現実世界の情報に、何か別の追加情報を加えて表現・利用する」ものがAR、「様々な形で作られた現実のような世界に、ユーザ自身が飛び込む・体験する」ものがVR(バーチャルリアリティ)であると書きました。ARにしてもVRにしても、その最終的な形態は様々です。ご紹介したバーチャルリアリティの事例では、ヘッドマウントディスプレイを使って体験するもの、特殊なディスプレイを使ってインタラクティブに操作するもの、ゲームの世界に没入するために構築されたデバイスやコンテンツなど、多様な形で実現されています。ただ、どの事例にも共通しているのが「様々な形で作られた現実のような世界に、ユーザ自身が飛び込む・体験する」点であり、その体験の質をいかに「現実に近づけられるか」がVR(バーチャルリアリティ)が挑戦し続けるテーマであり、その面白さでもあります。

VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)は、日々進歩を続けています。どちらも、視覚情報のみならず、その他の感覚も活かした「体験」を実現するための模索が続いています。近い将来、それぞれの言葉の垣根を超えて、例えばVR(バーチャルリアリティ)の世界にARのアイデアが盛り込まれる、またはその逆など、まったく新しいコンテンツが登場するかもしれません。例えばPANOPLAZAでは、360°パノラマ動画によるライブストリーミング・サービスを開始しています。こうした360°のライブストリーミングの中に、CGによる架空のキャラクターを登場させるなど、VR(バーチャルリアリティ)x AR(拡張現実)の試みもすでに始まっています。VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)は、その言葉の意味合いこそ違うものの、それぞれの特徴を活かし融合させることで、「バーチャル体験」をより高い次元へと導いてくれるキーワードでもあるのです。

参考:「VRとARとMRの違いについて」もご参照下さい。