GearVRへのVR動画アップロード方法

2015年6月

前回はGear VRの基本的な閲覧方法についてご紹介致しました。今回は、自作したVR動画をGear VRで閲覧するための方法についてご紹介したいと思います。

VR動画をGalaxy S6に配置

VR動画への配置方法はWindowsとMacで多少異なります。

Windowsでの配置方法

・PCとGalaxy S6 / S7をUSB接続します。
・Galaxy側にてAllow access to device dataと表示されるので「Allow」ボタンを押して、PC側からGalaxyにアクセスできる許可を与えます。

Macでの配置方法

・MacでAndroid端末のファイル転送ができるAndroid File Transferをインストールします。
・Galaxy側にてAllow access to device dataと表示されるので「Allow」ボタンを押して、PC側からGalaxyにアクセスできる許可を与えます。

保存先フォルダ

・GalaxyをPC/Macに接続するとOculus/360videosというフォルダが見つかると思いますので、そちらにファイルを配置します。Oculus/Moviesというフォルダに配置するのでも問題ないようです。
・ファイル名はxxxxx_360.mp4のようにファイル名の最後に「_360」をつけるとGear VR側で360度動画として認識しやすくなるようです。

GearVRでの閲覧

oculus-video
・Oculus Home(GalaxyをGear VRに装着して最初に表示されるメニュー画面)にて、紫色背景の「Video」を選択します。
・その後、左側に「My Video(マイ動画)」がありますので、それを選択すると、さきほど保存した動画が見つかりますので、見たい動画を選択すれば、再生が開始されます。

Jaguar Land Rover Virtual Driveのメイキング

2015年6月

2015年6月6日から全国のジャガー・ランドローバーのディーラーで体験開始されたジャガー・ランドローバーのバーチャルドライブシステムについて、4月の撮影から6月の納品にいたるまでの様子を記録に残しておく。なお、ジャガーバーチャルドライブの公式ページはこちら

スペインとイギリスでのパノラマ動画撮影

当初は、ジャガーのアンバサダーであるテニスプレーヤーの錦織圭さんのスケジュールがスペイン・バルセロナで1日取れ、その日にWeb用のCM動画や雑誌撮影に加えて、バーチャルドライブ用のパノラマ動画撮影も合わせてできないかということだった。バルセロナでの撮影が決定後、ヨーロッパに撮影出張に行くのならば、グループ会社であるランドローバー社用の撮影もしようということになり、渡航直前にイギリスでの撮影も決まった。これが結果的にコンテンツの充実につながった。

kei-with-cameras

ランドローバーの撮影は、イギリスに何箇所かあるランドローバーエクスペリエンスという一般の方がランドローバー各車でオフロードコースを走れる施設にて行った。ランドローバーエクスペリエンスでも最もバリエーション豊かなコースのあるイースナーにて、ランドローバー専属のプロドライバーとともに撮影をした。水中、デコボコ、急な上り、急な下りといったコースでの走行で、特にカメラの固定について気を配った。テーマパークのライド系アトラクションに乗っているかのような体験ができると思う。

eastnor

ジャガーの撮影はバルセロナで錦織さんとともに行った。錦織さんには日本で9月から発売される新車種Jaguar XEを運転してもらい、私はその錦織さんを先導する形でJaguar F-Typeというスポーツカーを運転した。錦織さんはテレビでは多くの外国人選手に比べると小柄な印象があったが、やはり実物はがっしりと大きく、また前日にバルセロナオープンにて優勝していたこともあり、撮影現場を通りかかったスペインの一般の人にサインや写真を頼まれて紳士に対応していたのが印象に残っている。ジャガーバーチャルドライブでは錦織さんとバルセロナをドライブデートしているような体験をできると思う。

xe

パノラマ動画編集とWindows用パノラマ動画プレーヤー開発

バーチャルドライブシステムでは、当初の6月公開版ではJaguar XE with 錦織さんと、Land Rover Discovery Sportsの2コンテンツを体験頂ける。今後それ以外の車種も順次追加予定である(公開された時点で、その車種の話も是非追記していきたい。素晴らしい車で稀有なドライビング体験だった)。今回のパノラマ動画では撮影ディレクションや動画編集にはスリーイズアマジックナンバーさんに担当して頂き、疾走感のある気持ちのよい動画に仕上がっている。

jaguar-event

全国約40店のディーラーで最高の体験を提供するために、パノラマ動画視聴環境としてはヘッドマウントディスプレイOculus Rift DK2とそれ専用の独自パノラマ動画プレーヤーを開発した。Oculus Rift DK2の駆動には強力なグラフィックエンジンが必要なため、ゲーミングPCと合わせて使用するようにした。PC、Oculus、プレーヤー、動画のそれぞれの性能ぎりぎりとシステム安定性のバランスを考慮しての画質設定を行った。

約40台のヘッドマウントディスプレイOculus Rift DK2運用

バーチャルドライブ開発後半の山場はなんといっても40セットのパソコンとOculus Rift DK2のセッティングだった。狭い当社のオフィスにこれらがうず高く積まれ、すべてのセットでWindowsの初期設定、動画プレーヤーと動画のインストール、Oculus Rift DK2とヘッドフォンを繋げての接続テストを実施した。一通りの箱詰めを終え、全国各地のディーラーに発送した時には達成感とオフィスのすっきり感を味わえた。

自動車の購入においては実車を試乗するのが最も効果的だと思うが、今回のバーチャルドライブシステムでは以下の2点に特に価値を発揮できたと考えている。
・XE: ディーラーに実車が配置する前に体験できる。しかも話題の錦織さんと。
・Discovery Sports: 日本にはないランドローバーエクスペリエンスを体験できる。

今後追加されるコンテンツもあるので、ジャガー・ランドローバーのディーラーにてバーチャルドライブを体験していただきたいと思う。そして何人かの方には実車を購入頂けるとありがたい。

グローバル採用

2015年6月

国内の少子高齢化に伴い労働人口の減少が始まっている。国内の動向云々とともにアジア諸国の急速な発展もあり、会社経営においてもそういった動向を無視できない状況になっている。

ビジネスの海外展開

当社のウェブサービスはパノラマ静止画を使用したバーチャルショップ作成ツールPanoPlazaにしろ、パノラマ動画共有サービスであるPanoPlaza Movieにしろ、ユーザインターフェイスには当初より英語も用意しており、海外からのユーザを歓迎している。しかし、国内の顧客ニーズを満たすのに精一杯で、必ずしも海外ユーザのニーズへの適合やそもそもの積極的なマーケティングができていないのは認めざるをえない。このあたりは今後の課題である。

外国人採用

ビジネスが海外展開するのならば、それに対応する社員の国籍も多様化していたほうがいいだろう。そもそも優秀な方であれば国籍で区別をすることなく積極的に採用していくほうが合理的だ。国内での一般的な労働人口の減少やエンジニア不足により、そういった人的リソースを海外に求めるのも自然であろう。また採用した外国人スタッフを経由して、その国への進出案を検討するといったことも可能だ。

ベトナム人エンジニアの採用

そういったコンセプトにより、今回当社初の外国人スタッフに内定を出して、彼の現在の所在地であるベトナムに面談に行ってきた。ベトナムのハノイ工科大学にはHEDSPIというコンピュータサイエンスと日本語を学ぶ特別プログラムがあり、これは日本政府が援助している。他の教室にはないがHEDSPIの教室にはエアコンが完備しているほどで、ハノイ工科大学の中でもトップの学生が集っており、また実際に卒業生の多くが日本企業や日本向けのオフショア開発企業で働いているそうだ。当社の内定者もこちらのプログラム出身者である。
CHf-vKcVAAAN91Q

ハノイのベンチャー企業訪問

私の出身研究室に留学に来て、その後ベトナムに帰国して起業された方のオフィスにもお邪魔してきた。まだ起業して間もないにもかかわらず合わせて20人以上の正社員とインターンにより主に日本市場向けのソフトウェア開発をされているとのこと。仕事の多くはクラウドソーシングなどのウェブサービスで獲得しているらしい。また訪問したのは土曜日だったにも関わらずスキル向上を目指す現役ハノイ工科大学の学生が集って勉強をしていた。

今後もビジネスの海外展開と人材の多様化・国際化を積極的に進めたいと思ったベトナム出張になった。

スマホを使ったHMDのGearVRを使ってみよう!

2015年6月

スマホを活用して仮想空間を閲覧できるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)のSamsung Gear VRが5月に一般発売となりました。スマホで手軽に仮想空間体験ができるGear VRですが、その閲覧方法についてご紹介致します!

準備するもの

・Samsung Gear VR
・Galaxy S6もしくはGalaxy S6 edge(その他のスマホには未対応)

対応端末のGalaxy S6をGear VRに装着するだけで簡単にVR映像を閲覧できます。

gear VR

装着方法

Gear VR前面のカバーを取り外します。

向かって左側にGalaxyの充電器差込口がくるようにしてスマホのディスプレイ画面をGear VRの方に向けた状態で本体に差し込みます。

装着後、自動的に専用画面が起動します。

gear VR

閲覧準備

Gear VRの上部には「+」・「ー」といった焦点調節用のダイヤルがあるため、Gear VRの画面を見ながら自分に合った焦点距離に調整する事ができます。

gear VR

操作方法

装着した後のGear VRの基本的な操作は、本体右側にある「戻るボタン」とその下の「タッチパネル」を用いて行います。「戻るボタン」は前の画面に戻る時に押し、また長押しする事でホーム画面に戻る事ができます。「タッチパネル」は、スワイプやダブルタップなどスマートフォンの画面操作と同じ要領で操作します。

Gear VR画面上に表示されいてるポインターは、頭を上下左右に動かすとその動きに追随するので、ポインターを目的の位置に合わせて右側のタッチパネル部をタップすると、ポインターが指定している対象を選択できます。

複数のコンテンツが横または上下に並んでいる場合、タッチパネルで上下左右にスワイプするとポインターで示すコンテンツが移動し、拡大・縮小などもダブルタップで行う事ができます。

レビュー

Gear VRのコンテンツはOculus storeからダウンロードできます。ここでは公開されているコンテンツの中から気になった3作品を紹介したいと思います。

Oculus360° Videos(360° Tours Iceland)

ヘリコプターの下と思われる場所に取り付けられたカメラで撮影されていて、まるで自分が鳥になったかの様な感覚で空を飛びながら景色を眺めている気分になります。普段の生活では体験できない視点です。眼下には草原を走る馬の群れや大きな滝が現れ、真下・真上も含めた360度全方位の大パノラマで鑑賞できます。

DreamWorks(Penguins)

公園にシアターが設置されているという舞台設定で、前の席には映画の主人公であるペンギン達が座っています。シアターに映し出される映画のシーンはとても綺麗に見え、前方に座っているペンギン達に視線を向けると一人一人違った反応で答えてくれます。まさに友達と映画を楽しみながら閲覧している様な感覚に陥ります。決して声をかける訳ではないのですが、視線を感じて振り返ってくれるのが凄く自然な動作に感じられます。

DreamWorks(20years of dreams and lauhter)

Dream Worksが今までに制作した作品を3D映像で閲覧する事ができます。シアターは湖面前に設置されていて、シアターの映像が水面に反映されてとても幻想的な作品となっています。

Oculus Riftとの比較

Oculus Riftと比較した感想としては、やはりコードレスであるため、ケーブルが邪魔にならず自由に動ける事が最大の利点ではないかと思います。映像性能に関しては、Oculus Riftより高解像度(2560 x 1440)ですが、まだ粗さが目立つのには変わりなくVR製品全体として高性能化の必要性を感じます。デメリットを上げると、スマホ駆動のためPC駆動するOculusよりコンテンツ再生時の負荷に注意をしないといけません。

以上、Gear VRの基本操作・レビューについて紹介してきました。次回はオリジナルコンテンツをGear VRで見る方法についてご紹介したいと思います。

VRヘッドセット最新情報:「Morpheus」と「FOVE」

2015年6月

2015年現在、VRヘッドセット製品としてはOculusが最も注目を集めていますが、Samsungの「Gear VR」の一般発売に加え、ソニー・FOVEなども製品開発を行っておりVRヘッドセットの話題が続々と登場しています。今回は未発売ではあるがVRヘッドセットを開発しているソニー・FOVEについて最新情報を調査し、現在判明している情報をお届けします。既に一般発売されている「Gear VR」のスペックおよび実体験レポートなどはまた別の機会にご紹介します。

Sony :「Project Morpheus」

ソニーはプレイステーション4向けのVRヘッドセットディスプレイ「Project Morpheus(モーフィアス)」を開発しています。3月に実施されたGame Developers Conference2015(GDC)で展示されたプロトタイプでは、ディスプレイに5.7インチの有機ELディスプレイが採用されており、2014年に発表された開発版よりディスプレイ性能が向上しました。また、解像度は1920×1080(RGB毎)、視野角100度、リフレッシュレートは120HzとOculus Riftの製品版で予定されている90Hzを上回る描画速度となっています。描画の遅延性能の指標となるレインテンシーも18ms以下で低遅延を実現予定とのことです。

価格は非公表で、リリースは2016年前半を予定しており、プレイステーション4向けのゲーム開発者用プラットフォームを準備中との事です。今後どのようなソフトが提供されるのか注目したいと思います。

FOVE

FOVE(フォーブ)は視線追跡機能を搭載したVRヘッドセットディスプレイを開発している日本のスタートアップです。FOVEは一般販売に向けてKickstaterで資金調達を開始しており、既に目標の25万ドルを達成しています。FOVEで特に特筆すべき点は注視している部分のみを高精度にレンダリングし、それ以外の部分は精度を下げ再生時の負荷を減らす技術が使われている点で、通常再生の約1/6の負荷削減となるとの事です。通常、Oculusを始めとするVRヘッドセット製品ではゲーム用で使う様なGPU性能に優れたハイエンドPCを使う必要があります。しかし、FOVEでは上述の技術によって再生時の負荷を軽減できるため、低価格PCでも快適なVR体験を行える可能性があり、一般ユーザーへの普及に期待したいところです。

スペックは5.8インチのディスプレイ、解像度は2560×1440、視野角100度以上、フレームレート90fpsの予定で、本体重量が400gとOculus Rift DK2の440gより軽量になるとの事です。

2016年春にはKickstarterでの出資者に製品を送付予定で、視線追跡機能を利用して、手や腕を使わず視線や瞬きだけでピアノを弾くユニークなプロジェクトも行われており、今後のデモコンテンツも含めて同社の動向が注目されます。

Developed Jaguar Land Rover Virtual Drive System

2015年6月

360 Degrees Virtual Experience System using Oculus Rift

Kadinche created and developed Jaguar Land Rover’s Virtual Drive System using Oculus Rift head mount display. The system will be installed in Jaguar Rand Lover’s dealer shops all over Japan. Visitors can enjoy viewing 360 degrees as if he/she is inside cars driving around.

Kadinche shot panorama movies of Jaguar and Land Rover’s cars in Spain and UK. Kadinche also developed panorama movie viewing application for Oculus Rift. The first two contents are Jaguar XE with a tennis player Mr. Kei Nishikori and Land Rover Discovery Sports with its official driver in UK.

Kadinche is a company in Tokyo Japan doing research and development on virtual reality contents and technology. Kadinche also hosts a panorama video sharing platform PanoPlaza Movie.

topmenu
xe
xe-with-camera
landrover
eastnor
kei-with-cameras
jaguar-event

Oculusが製品版の推奨スペックなど最新情報を公開

2015年6月

仮想現実の体験が可能なHMD(ヘッドマウントディスプレイ)開発を手掛けるOculusがコンシューマ向けの製品版を2016年Q1にもリリース予定とブログにて発表しました。

Oculusは現在、開発者を対象とした第2世代といえる「DK2」を販売しています。また製品版へのリリースに向けたプロトタイプ「Crescent Bay」を開発中です。この「Crescent Bay」では、リフレッシュレートが75fpsから90fpsとなっており「DK2」と比較してトラッキングシステムが改善され、頭を動かしたときにスムーズに追随する様になっています。そのため、「DK2」でVR酔いするコンテンツでも酔いの程度が軽減される事が期待できます。その他の主な変更点として、大幅に軽量化されており、解像度は両眼合わせて2160×1200(DK2は1920×1080)と高解像化し、ヘッドフォンが標準装備されています。

製品版のハード面・ソフト面の更なる情報は数週間のうちに公開される予定で、製品発売までに順次イベントなどで実体験できるのではと思われます。また、プレオーダーは2015年後半に予定しているとのことです。

なお、現在公開されている製品版の推奨スペックは以下の通りです。

Oculus製品版の推奨スペック(2015年5月現在)

  • 【グラフィック性能】 NVIDIA GTX 970 / AMD R9 290 以上
  • 【CPU性能】 Intel i5-4590 以上
  • 【メモリー】 8GB以上
  • 【OS】 Windows 7 SP1以上
  • 【ポート】 HDMI 1.3(297MHzでのダイレクト出力が必要) USB 3.0ポート×2

上記スペックはWindowsのデスクトップを想定しており、ノートPCでスペックを満たしていたとしても、HDMI出力が内蔵GPU経由となる機種では閲覧に不具合が生じる可能性があるという事です。また、Mac OSとLinuxには当面サポートしないと発表しています。