撮影隊の記録:高層ビルと文化施設

2011年1月

スペースバズーカのご紹介

 こんばんは、市河靖弘です。カディンチェでデザインやWeb制作を主に担当していますが、たまにパノラマやヴァーチャルツアーの撮影に繰り出すこともあります。撮影の相棒はこれ!(左写真)。弊社専務の内田和隆が自作したもので、スペースバズーカ4号という名前がついています。こいつにはレーザーレンジセンサーと一眼レフカメラ、360度自動で回転するモーター付きの雲台、制御装置などが搭載されていて、タブレットPCから操ることができます。パノラマやヴァーヤルツアーの撮影というのは、このスペースバズーカ4号を使って、空間のデータ(形状・画像)をスキャンするお仕事です。

高層ビルのてっぺん

 こんなマニアックな機材で撮影するからには、それなりの特殊な場所に行くことが多いわけです。思い返せばこの1年余り、スペースバズーカと一緒に色々なところへ行ったなぁと思います。下の写真は昨年末の撮影の時に撮ったものです。

 都内某所にある高層ビルの屋上。の、上に建てられた非常階段出口にあたる小さな小屋。の、上にあるはしごを更に登ったこのビルの一番てっぺんから、撮影してやりました。周りに冊とかなくて、くるぶしくらいまでの「デッパリ?」みたいな突起物が周囲を囲むだけ。広さ約4畳半。撮影中に三脚を押さえてないと機材が倒れてしまうくらいの強風でした。そんな危険な環境での、体当たり撮影!。僕と、スペースバズーカ4号が望む街並の彼方には、抜けるような青空と、建設中の東京スカイツリーが見えました。かっこいい!。この写真はスペースバズーカ4号のスナップの中でも、ずば抜けて男前に撮れた一枚だと思います。

都内某所の文化施設

 続いてつい先日の撮影ですが、都内某所でいくつかの文化施設をテスト撮影させて頂く機会がありました。誰もが一度は行ったことのある有名な複合施設なんですが、改めて行ってみると、美術館はあるし映画館もあるし、ホールや展示室もたくさんあって、うっかりしてると一日時間を過ごしてしまえそうな、とても素敵な場所なんだなと再認識しました。

 写真は、「ホール」を撮影したときのスペースバズーカ4号です。誰も居ない客席からステージを望むスペースバズーカが、これまたなんだか男前に見えて、撮ってみました。先の屋上で撮った写真よりも、若干大人っぽい印象がします。
 ホールやコンサート会場というのは、普段僕なんかが行く時には観客でごった返しているものです。しかしそれがこう空っぽの状態になっているのを見ると、なんだかすごく不思議なものを見た気分になります。小学校時代、早めに体育館に着いたら誰も居なかった時の雰囲気。。高校生時代、授業をさぼって誰も居ないプールで一人泳いでみた時のあの雰囲気。。誰も知らない(見てない)空間を独り占めするとゆうのも、その空間をこっそりスキャンしちゃうというのも、この撮影ならではのとても贅沢な経験だと思います。

撮影隊の記録


 「空間を記録する」「空間をスキャンする」「空間を再現する」というようなニーズは、その空間に何らかの特別な価値があるから発生するわけで、そこへ撮影に出かけるから、自然と「面白い場所」「珍しい場所」に行くことができるわけです。これは僕にとって何よりの楽しみなのです。「空間を記録する」というニーズには例えば、「すごく遠い」「すごく貴重」「普通入れない」「もうすぐなくなる」など色々あると思いますが、どういうニーズであっても「なかなか行けない面白い場所」であることには変わりがない気がします。せっかくなので、そんな「面白い場所に行った話」や、そこで聞いた話、知ったことなんかを、記事として残しても面白いかな、と思いました。

 ちなみに現在撮影希望中の「面白い場所(例)」は、以下の通りです。

  • 宇宙ステーションの中
  • 空母の司令室
  • 飛行機のコックピット
  • 原子炉の中
  • ディズニーランドの、一般人は入れないとこ
  • 文化施設や建築物の中で、人入れると痛むから普段解放してない場所
  • 売り出し中のグラビアアイドルさんのお部屋
  • 。。。。

切りがないのでこの辺で。。撮影のご依頼はお問い合わせページよりどうぞ!

ヴァーチャルツアーの営業を振り返る – その2 –

2011年1月

こんばんは、青木崇行です。

 前回の記事では、ヴァーチャルツアーというサービスを主に不動産業界に営業展開しようとした際に、私たちなりに感じたことや学んだことを書いてみました。確かに、ネットサービスが浸透している賃貸物件の情報サービスなどでは、ヴァーチャルツアーの導入は難しいでしょう。しかし逆に、以下のような業種では、可能性がありそうだということもわかりました。

売買中古物件・海外物件

 賃貸物件と比較して、中古の売買物件でしたらある程度の広告宣伝費をかけることが可能です。ここで敢えて「中古」とつけた理由は、新築物件では物件の建設時にすでに販売を開始、完成した頃には買い手が決まっていて、ヴァーチャルツアー等の撮影が入るタイミングがほとんどないからです。従って、既に建物が建っている中古物件であれば、ヴァーチャルツアーの撮影・掲載も可能です。
 また、特に潜在顧客がなかなか見学に来れない遠隔地(海外)の物件ほど、ニーズが高いと感じています。本来は、物件を直接見に来て頂かなければ不動産の売買は成立しません。しかし例えば地方に居ながら、引っ越し先である東京の物件を探す場合など、ユーザにとっては物件をより詳しく吟味して、実際に内見する物件を選ぶ事ができます。売り主にとっても、アプローチできる顧客層が広がるのではないかと考えています。

オフィスビル

 オフィスビルの場合は、撮影したコンテンツをウェブ上でお客様に公開するだけでなく、管理会社側で物件の社内管理用として利用するケースがあるようです。つまり一度作成したコンテンツが2つ以上の目的を持ったり、複数のユーザに使われるため、相対的にコストパフォーマンスが高くなるということです。また、オフィスビルの借り手側も、その賃貸契約をするにあたっての意思決定者が複数存在し、その複数人で検討するにあたりウェブコンテンツが有効に利用されるといった例もあるようです。オフィス来訪者向けの案内板として、デジタルサイネージで表示しても面白いですし、商業施設の場合にはお客さん向けの「フロアガイド」にも活用してもらえそうです。各フロアにヴァーチャルツアーをベースにした館内検索システムがあったら、人件費も削減できそうですね。

ホテル

 ホテルは、一度撮影すると改装工事がない限りずっとコンテンツが活用できるという点で、費用対効果が最も望める業界の一つのようです。すでに楽天トラベルプラチナコレクションのように、館内・室内の360度画像が見られるようなコンテンツの普及も始まっております。こういったコンテンツは、ホテルの優美さや雰囲気の良さをアピールするのに適しています。
 出張、旅行に限らず、近年の私たちの世代では、ホテルや旅館の予約をネットで行うケースがほとんどではないでしょうか。ホテルや旅館の写真、料金プラン、立地など様々な情報を確認し、予約を入れます。そしていざ現地に行き、当日部屋に案内されるまでは、なんとなく不安な気持ちなのは私だけでしょうか。ネット上の写真は限定的で視野も狭く、情報量が少ないため、「写真写りは良かったけど、本当はボロボロの部屋だったらどうしよう。。」と心配してしまうのです。パノラマ写真やヴァーチャルツアーであれば、良くも悪くも「現地の本当」に近い姿を伝えることができます。最初から「ここは悪い」と分かっていればがっかりすることもないですし、「ありのままを伝える」方がユーザにとってはありがたいサービスだと思います。

 弊社では3D計測を含んだ3Dモデル内のヴァーチャルツアーと、パノラマ写真による廉価版ヴァーチャルツアーの二つのラインアップご提供しております。これらの考察は、後者のパノラマ写真によるバーチャルツアーでは現実的になりつつありますので、現在は3Dバーチャルツアーの制作コスト削減に努め、世の中に普及するように研究開発を進めています。

 世の中もっと便利に、もっと面白くなるはずです。様々な業界の方のお知恵を借りながら、色々な事業にこのサービスを活かして行きたいと考えています。

ヴァーチャルツアーの営業を振り返る – その1 –

2011年1月

 本サイトでは初めてブログを投稿することになりました、カディンチェ株式会社代表取締役の青木崇行です。

 「ブログをはじめる」にあたって、どんな記事を書こうか少し悩みましたが、まずはカディンチェ株式会社がこの2年あまり積極的に取り組んできた、「ヴァーチャルツアー」について書いてみようと思い立ちました。本稿から3回程に渡り(たぶん)、ヴァーチャル・ツアーの営業活動で感じた事や、私たちが営業を挑んだ業界についての考察など、思い付くままに書いてみようかと思います。

ヴァーチャルツアーについての詳細は、こちらのページをご参照下さい。

 記念すべき第一回目の今日は、「ヴァーチャルツアー」の有力市場として私たちが見込んだ業界、特に「不動産業界」についてです。弊社では、大手不動産ポータルサイトを運営する会社様はもちろんのこと、公的機関の位置付けに近いREINS(不動産流通標準情報システム)の関係者様、デベロッパー様から街の不動産屋さんに至るまで、不動産業界に関わる様々な方々へ営業・ヒアリングを行いました。このような活動を通じて私たちが得た知見を共有させて頂きたいと思います。
 
 弊社では、室内空間3次元モデリングやパノラマ写真を用いたヴァーチャルツアー制作サービスを始めるにあたり、不動産業界、ホテル、文化遺産施設などを想定顧客として考えていました。室内空間を「商品」として提供している企業様に対してヴァーチャルツアー導入をご提案し、ウェブサイト上に掲載して頂くというのが狙いです。

 これは私たち自身が引越しのために不動産物件を探した時の実体験に基づいています。現在インターネット上に掲載されている物件の情報量だけではまだ不足しており、内見せずにもっと効率的にウェブ上で候補物件の絞り込みができないものかと感じたのです。また、このような問題意識に加え、不動産業界は取り扱う物件数が非常に多く、関連業者も多数存在していることから有望な市場ではないかと考えました。

 では、実際に約2年間に渡って不動産業界向けに営業をしてみてどうだったのか。結論から言うと、ヴァーチャルツアーを含むマルチメディアコンテンツの導入は簡単ではないということが分かりました。

1. コスト(広告宣伝費)

 賃貸物件では、不動産業者の売上は賃貸契約時の手数料(通常賃料の1-2ヶ月分)が主になっています。そしてこの手数料から人件費を始めとする固定費を賄うことになるために、物件1つあたりの広告宣伝に掛けられる予算はは数百円からせいぜい数千円程度になっています(物件の賃料にに応じて価格は変わります)。従って、営業担当者が物件に赴き、その風景をデジカメで撮影してウェブサイトにアップロードしたり、対面営業の際に印刷するのがやっとで、手の込んだ動画やヴァーチャルツアーにまでかける予算的・時間的な余裕がなかなかありません。

3. 撮影者・撮影時期

 通常の静止画像なら営業担当者でも撮影できますが、全方位画像や3D計測といった特殊な撮影は機材やスタッフという面である程度の技術力が必要になります。また、賃貸物件では借り手が決まった場合にはその物件のコンテンツは不要になり(再度必要になるのは物件が空いた時)、コンテンツの再利用性が低くなってします。まとめると、ヴァーチャルツアーなどの撮影は外部業者に委託せざるを得ないが、その撮影時期は必ずしも定期的ではなく、コンテンツの入れ替えが激しいというのが賃貸物件の特徴になります。

3. 現場主義

 部屋の特徴や街の雰囲気は現地に行ったほうが直感的に分かるというのは当然のことですが、お客様が不動産業者を訪問し、直接話をするというのは、それだけ営業トークのチャンスができ、その対話の中で強く契約を勧められるという利点があります。インターネット上のコンテンツだけで判断されては、そのような営業トークの出番がなくなるために、場合によっては潜在的な顧客を失ってしまうという危機感もあるようです。

確かに大手ポータルサイトなどでは、一部の賃貸物件にパノラマ写真が掲載されているものもあります。しかし、それも全掲載物件数の約5%程度に過ぎません。お客様視点では明らかに利便性の高いコンテンツであるにも関わらず、爆発的な普及に至っていないのは、上記のような背景があるからだと考えられます。

弊社では3次元モデリング技術の制作コストの低減化を図るとともに、パノラマ写真を用いた廉価版ヴァーチャルツアーに関しても付加価値をつけることで、今後も不動産業界ウェブサイトの3D化・パノラマ化に挑戦し続けたいと考えております。

さて、今回はヴァーチャルツアーの普及にまつわる課題面を中心に書いてみました。次回の記事では、逆にヴァーチャルツアーを積極的にご提案したい業界や業種、その理由や考察などを書いてみたいと思います。

[#01] 3D Projection Mapping

2011年1月

当社の室内空間3Dモデリング技術を上手く活用して、3D Projection Mapping関連のサービスを展開できないか実験中です。これまでは、リアル空間のヴァーチャル化に取り組んできましたが、今回はヴァーチャル上で制作したものをリアル空間に反映させるという全く逆のアプローチなのでとても面白い研究になりそうです。

動画

実験動画をご紹介いたします。

スタッフブログ開始!

2011年1月

カディンチェのウェブサイトをご覧の皆様、

初めまして、井村俊介と申します。
この度当社では先日のサイトリニューアルとあわせて、スタッフブログを始めることになりました!
様々なバックバックグラウンドを持ったメンバーが集まる当社ならではの切り口で、ビジネスから
技術まで幅広いテーマでブログを更新できればと考えております。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。